スーパーラドを作る際の基本的な考え方~製作法と調整のまとめ

スーパーラドは何も特別な理論で働いているアンテナではありません。

然しながら、ワイヤーアンテナ作りとは違った側面があることも事実です。そこで、これから試作を始めようと思っている方へ製作・調整時の考え方を私なりにまとめてみました。

スーパーラドは「LC共振回路上にエレメント=シリンダ又はディスクがあるだけ(これらもLC共振回路のC素子として働きます)のアンテナ」ということになります。

共振周波数は各LCの値で決まりますが、Cを変化させることによって同調させる、C同調で調整するアンテナだと思って頂いて結構です。(μ同調の方法もあるにはあります。)

出来る限りQの高い良いコイルを作り、Cを付加させることで同調させる。これがスーパーラドの作り方・調整方法の基本です。

スーパーラドはコイルが命のアンテナなのです。いかに良い共振コイルを作るかが性能を左右します。まず、しっかりしたコイルありきです。(昔トヨムラから販売されていたエアーダックスコイルのような自立空芯コイルが作れれば、さぞかし・・(笑))



調整時にコイルを足したり、ほどいたりする調整は泥沼への第一歩。あくまで「共振周波数はCで調整する。」です。
このCで調整する(Cを付加する)という考え方は、やっかいなゴーストや様々な調整トラブルを回避する手段でもあります。

付加するCがバリアブルであれば、調整時にCを変化させるに従って共振周波数が変わればその共振周波数は本物であり、それ以外の共振周波数はニセ共振=ゴーストであると判別できます

きちんと共振周波数にすることは、アンテナ調整の第一歩ですが、これが多少難しい(騙され易い)のがスーパーラドアンテナだと思ってください。

スーパーラドアンテナはワイヤーアンテナの調整のようにSWRメーターだけで調整出来るアンテナではありません。ローディングコイル部分や短縮C部分があるワイヤーアンテナでも同じでしょう。コイルやCが付加されていれば、本当の共振周波数はSWRメータだけでは充分に調整出来ないでしょう。

最低限下記の測定器または道具が必要です。アンテナアナライザーがあれば便利ですが、無くても下記の全てがあれば調整可能です。

1)共振周波数を知る:ノイズブリッジ、ノイズジェネレータ+RXなど
2)インピーダンスを知る:インピーダンスメータ、ノイズブリッジなど
3)SWRを知る:SWRメータ

アンテナアナライザーで調整してもうまくいかない(共振周波数が良く判らない、SWRが下がらないなど)という話も良くありますので、私の調整方法を書いてみます。(私が所持しているアンテナアナライザー:クラニシ製 BR-210)

アナライザーをインピーダンス測定モードにして、インピーダンスが急激に変化する点=共振周波数を探します。
注意!)スーパーラドアンテナは並列共振で動作するアンテナで、ワイヤーアンテナのように直列共振ではありません。従って、共振点ではRが最大(そしてjX=0)になっています。

この時のインピーダンスが50Ωである必要はありません。共振点を探しているだけです。但し、インダクタンス及びシリンダ-コイル間のキャパシタンス(+印加したキャパシタンス)から想定される共振周波数を頭に入れておかないといけません。でないと、トンデモナイ周波数で見付け、それがホンモノなどと勘違いしたりします。そして、そこが目的の周波数なら、その点でリンクコイルを上下するなどしてインピーダンスを50Ωに近付けます。

リンクコイルをいじると共振周波数がズレますから、Cを調整して共振周波数に持っていって終了です。(リンクコイルはいじりません)
この状態でTXに繋ぎ、SWRメーターでSWRを見て良好かどうかを確認します。(最終確認)

ここで重要な点は、調整時にアナライザーではSWRを見ていないという点です。(全てのアナライザーで当てはまる訳ではないです)

何故、SWR値を見ないか。騙され易いからです。

SWRの値とは進行波と反射波の比率であって、アナライザーは共振そのものを見ている訳ではないはずだからです。つまり、SWR最良点=共振点では必ずしも無いということ。

ワイヤーアンテナでは大体「共振点=SWR最良点」ですから、この辺が落とし穴になったりします。と言うか、私は当初この穴にドカドカ落ちました(笑)

インピーダンスの測定を行い、インピーダンスの変化によって共振点を判別しています。

なので、(1)共振周波数が合っており、(2)その周波数でのアンテナインピーダンスが50Ω付近ならOK。 という調整をしているのです。(私のアナライザーではリアクタンス分(jx)の測定が出来ませんが、大体0に近い付近で収まっているようなので気にしません(笑))



(製作のまとめ)

1)出来る限りQの高い良いコイルを作る。

2)できる限り、漏れ磁束が減少するようにコイル、シリンダ位置と形状を考慮する。

3)低い周波数帯(135KHz-3.5MHz辺りまで)ではコイルと並列にC(空気コンデンサの形成を推奨)を印加すると良い。

4)印加するCに微調整機構があるとベスト。

5)シリンダ(ディスク)は良導体の非磁性体を選び、繋ぎ目の接続には気をつける。

6)シリンダ(ディスク)の材料とコイル材料は同じ材料が良い。(アルミーアルミ、銅ー銅など)

(調整のまとめ)

1)共振周波数が合っていることが大前提。印加したCと共に共振周波数が移動すれば本物。移動しなければニセ=ゴースト共振。

2)共振周波数を合わせてからインピーダンス調整。

3)SWR最低点を探すような調整はNG。SWR値はあくまで結果。

4)調整は出来る限り短い同軸かアンテナに直結で。

5)最後に必ずSWRメータと小出力のTXでSWRを確認。これがOKなら調整終了。

(トラブルシューティング)

*同軸からの輻射がある場合(コモンモード電流の発生)

1)アンテナ直下のアースを取る。(要再調整)
2)共振コイルのコールド側を接続しない。(要再調整)
3)リンクコイルに同軸を使用し、ホット側=芯線のみ、コールド側=芯線+網線とする。
4)それでも気になる場合はアンテナ直下にCMFを挿入する。



ここに書いた事柄のそれぞれの詳細は私のHPにも記載しています。

http://jf1tlt.com/handmade/superrad.html

*この記事は私がスーパーラドアンテナに関して、今現在持っている知見に基づいて書いたものであり、スーパーラドアンテナの本質やその具現に関する事項を保証するものではありません。また、上記の知見は新たな発見によって改定される事があります。 by JF1TLT

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この記事へのコメント

2011年02月06日 16:46
初めまして
 全く知識がないのに、無謀にも7MHzのタワードライブアンテナを工作しようと考えて、四苦八苦(まだしていませんが)知識を集めている所です。
 どの位のコイルを作ればいいのか、どんなコンデンサーを作ればいいのか?
 送信出力は10wの予定。
 鉄塔の高さは10m+マスト5m。
 トップにナガラの144MHz12エレ水平八木が乗っています。
 クランクアップタワーですが、アップするよていはありません。
 お知恵をお借りしたく、書き込みました。
JF1TLT
2011年02月06日 17:16
ひこうちゅうねんさん、書き込み有難うございました。
当局が実験、運用しているアンテナはタワードライブではありませんが、7MHz用としてのアンテナの大きさは50cmほどで、当局は15mタワーに架設して運用しています。
詳細は下記に書いていますが、ご質問等あればメールでもお答えします。ご興味がおありになれば、チャレンジなさっては如何でしょうか。
http://www.jf1tlt.com/handmade/superrad.html
みみみ
2011年02月16日 07:06
エアーダックスのQは高が知れている。そんなもの使っても135khzなんてとても無理。空想アンテナに、一本
JF1TLT
2011年02月16日 19:00
空想アンテナと仰られても、既に2年以上使っています(笑)Qのことを仰られていますが、何もローディングコイルとして使用する訳ではありませんので、ご心配なく。
2019年01月28日 03:06
ありがとうございます。
謎が、一部ですが、とても具体的で解り易い形で、解けました。
まだ、コーリニア型アンテナの事や、マグネチックループアンテナと、普通のループアンテナの違いや、類似点など、疑問点は残っていますが、兎に角、ちょっとだけ助かりました。
ありがとうございます。

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